「何となく保険に入らないといけない」
ただそれだけの理由で色んな保険に入っている人はいませんか?
はい。社会人1年目の僕がそうでした笑
その中の一つがこの記事で紹介する「ドル建て保険」です。
保険と聞くと安全なイメージがありますが、実はドル建て保険には非常に重いリスクが…
考え抜いた結果なら問題ないのですが、
何となくでドル建て保険に入ってしまった人がいるなら今すぐ見直しましょう。
この記事では「ドル建て保険」とは何か?
保険屋さんが教えてくれないリスクとは何か?について解説します。
「ドル建て保険」のリスクについて何も答えられない人は、読まないと損をしてしまいますよ?
この記事を読んで欲しい人
- ドル建て保険のリスクが何かわからない人
- なんとなくでドル建て保険に入ってしまった人
結論:ドル建て保険は一般人には必要のない商品

ドル建て保険って何?

りおさーん!
超お得な保険を紹介してもらったよ~
ドル建て保険っていうやつ!

円建てより金利が高くてお得ですよって言われたの?

すご~い!そうだよ!
なんでわかったの~?

僕も昔入ってたからね…
まずはドル建て保険って何?ってことから説明するね。
ドル建て保険とは
通常保険料は「円」で支払いますが、ドル建て保険は「ドル」で支払います。
貯蓄型の保険に採用されることが多く、
円建てよりも利率がいい(お金が増えて戻ってくる)ことが特徴。
また、ドルの他にも「ユーロ」などの外国の通貨で支払う保険をまとめて外貨建て保険と呼びます。
外貨建て保険に関しても知りたい方は「大手生保 3社が減収した理由 【外貨建て保険の販売が低迷】」を読んでみて下さい。

なんでわざわざドル建て?
ドル建て保険ができた理由は、円よりもドルの方が金利が高いからです。
日本が何年も低金利状態なのは知っていましたか?

参考HP:カメの歩み

昔は数%台の金利がつくときもあったのですが、今ではどんなに高くても0.1%程度です。
保険会社側からすれば、普通の円建ての終身保険では
お金を増やすことができないので、魅力的な商品が作りづらくなっています。

参考HP:住宅ローンの頭金資金を、「外貨建て保険」で運用した方がお得と考えた人の末路
一方アメリカの金利は日本よりもはるかにいいので、ドルで運用ができれば安全にたくさん増やせます。

ドルで保険を作れば、ドルで運用できる。
つまりお金が増える魅力的な保険ができるということですね。
僕が入っていた保険の概要
僕が入っていたのは、PGF生命の「米ドル終身保険」という商品です。
- 死亡したとき5万ドル支払われる
- 障害状態になったとき5万ドル支払われる
- 保険料払い込み期間は15年間
- 払い込みが終了すれば、解約しない限り保証は続く
- 毎月の保険料は約100ドル
- 解約すると保証は無くなるが、ドルで解約金が返金される
- 解約金は保険に入っていた期間が長ければ長いほど多くなる
※例えば35年間入った状態で解約すると解約返戻金は143.8%

143%⁉
すご~い!こんなにすごいの他の保険でみたことない!

ゴンさん
甘い話には必ず裏があるんだよ?
ドル建て保険のメリット/デメリット

ここで一度、ドル建て保険のメリット/デメリットに関してまとめておきます。
ドル建て保険のメリット
- 円建てに比べて貯蓄効果(ドルベース)が高い
- 保険金・解約返戻金などを受け取るとき、円安だと受取額が増える
- ドル資産への分散投資となり、円の価値が下がったときのリスク分散につながる
ドル建て保険のデメリット
- 為替変動で支払う保険料が変わる(高くなる可能性がある)
- 保険金・解約返戻金などを受け取るとき、円高だと受取額が減り、元本割れのリスクがある
- 為替手数料が合わせてかかり、多くの手数料を保険会社に支払う必要がある

あれ!?
保険なのに元本割れってどういうこと!?
保険だから安全じゃないの~?

やっぱり説明してもらえなかったんだね…
ちゃんと危険性についても教えるから勉強しよう。
ドル建て保険の危険性について

毎年苦情が増えている危険な保険という事実

生命保険協会の発表で2018年の外貨建て保険の苦情は2543件
6年間で4.3倍にも増えているそうです。
この苦情の理由ですが
「元本割れの可能性を十分に説明しなかった」
が7割を占め、契約者の年齢は60歳以上のシニア層が大半を占めています。

なぜこういうことが起きているのでしょうか?
金融機関はどうしてもドル建て保険を売りたい

実はドル建て保険などの外貨建て保険は、お客さんから手数料をたくさんとれる美味しい商品です。
加えて銀行が保険を売れば、保険会社からたくさんの謝礼が貰えるとか。
今日本の銀行はとてもつらい状況です。
なぜなら金利が低くく、本業のお金の貸し出しで利益が出ないからです。
どうしても利益を出したい銀行は、消費者から高い手数料を安定して取れるドル建て保険に目をつけました。
今の銀行の顧客の中心は高齢者ばかり。老後に不安を持つ人々に

たくさんお金が増やせる保険がありますよ!
と営業したことは簡単に想像つくでしょう。
結果、強引な営業をたくさん生み出し、社会問題に発展しています。

私カモにされかけてたのか~。
くやしい~!
積み立て保険系のデメリットのおさらい
積み立て保険に関しては「積立保険はいらない!僕が保険を解約した理由①」でも解説しています。

積み立て保険は
- 保険として考えると恐ろしく保険料が高い
- 投資商品と考えると恐ろしく利率が低い
という側面があります。
終身保険として考えた場合

※ライフネット生命HPより抜粋

ネット保険と比べるとコスパ悪いんだね~!
投資商品として考えた場合

米国債で自分で運用した場合と、ドル建て保険で運用した場合
どれだけ手数料が引かれているのかザックリ計算してみましょう。
条件を35年運用した時、仮に1米ドルが103.56円だったとして考えます。
僕が入っていたPGF生命の「米ドル終身保険」の解約返戻金は2,867,059円です。
毎月の積立額は、106.95ドルだったので11,076円払ったとします。
※計算を簡単にするために、為替変動は省略。
米国債の10年金利は1.5%なので1.5%で保険料払い込み年数の15年間運用したとします。
すると、2,234,222円になりました。

※楽天証券HPより計算機を抜粋
ここから20年運用するので、(FP3級の知識で計算すると…)
ざっくりですが、25年間は1%程度で運用していることになります。
20年間の0.5%分の利率は、保険会社に渡すことになるということです。

米国債という超安全な運用をしているにも関わらず、
35年間資金を拘束されたあげく、
20年間0.5%の手数料を取られ続けることになります。
そしてドル建て系には追加で恐ろしいリスクがあります。
保険屋さんが隠す「為替リスク」
僕の時もそうでしたが、保険屋さんはさらっと為替リスクについて話します。
このリスクはとんでもないものです。
パターン1:為替レートが1ドル 110円だった場合
保険金が5万ドルだとすると、円に換えると550万円になる。
パターン2:為替レートが1ドル 100円だった場合
保険金が5万ドルだとすると、円に換えると500万円になる。

同じ5万ドルでもタイミングが違うだけで50万円も違うよ~!?

お金を増やしたいのに、これじゃ何やってるかわかんないよね。
ドル建て保険はリスクを全て客に押し付けて手数料だけ取る悪魔
こんなリスクがある商品を客に売っておきながら、
保険会社は毎月手数料で確実に利益を上げるのです。
こんな理不尽なことないですよね?
一度入ったら最後、
最初の10年は元本割れするから勇気がないと辞められず、
やっと元本割れしなくなったと思ったら円高で損するから売れず、
まともな利益が出るころには20年、30年経ってしまった…
なんてことがあり得る危険な商品なんです。
まとめ:ドル建て保険は悪魔の商品。ドルで投資したいなら自分でやろう。

以上、ドル建て保険の危険性についてでした。
この記事のまとめ
- ドル建て保険は円建て保険よりも金利が高い
- ドル建て保険は手数料が高く、金融機関が得する商品
- ドル建て保険には為替リスクが潜んでいる
- ドル建て保険の押し売りは社会問題になっている
- ドル建て保険に入るなら、自分でドルを運用した方がお得
為替は誰にも読めないものです。初心者が扱えるものではありません。
ましてや高い手数料を保険会社に払ってやるなど言語道断です。
ドルに興味があるなら、自分でコントロールできるように自分でネット銀行を使って買いましょう。
円をお得にドルに換える方法に関しては「住信SBIネット銀行でお得にドル転する方法【SBI証券ユーザー必見】」で解説しています。

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