「リバランス」という言葉を聞いたことはありますか?
簡単に言うと、一定期間ごとや大きな価格変動が起きたときに
自分のポートフォリオを見直し、バランスを元に戻すことです。

なんだかめんどくさそう…
気持ちは分かります。
でも実はリバランスをすることでリターンがUPするというデータがあります。
これは取り入れるしかないですよね?
この記事ではリバランスの意味と効果について解説します。
長期投資でのリターンを少しでも増やしたい人必見の内容です。
この記事を読んで欲しい人
- リバランスの意味を知らない人
- 長期投資のリターンを少しでも増やしたい人
結論:リバランスはリターンUPの効果あり。習慣化しよう。

リバランスの意味
リバランスとは?

ポートフォリオ運用での資産の再配分のことです。
そもそもポートフォリオってなんだ?という方は
つみたてNISAにおけるポートフォリオの考え方という記事も読んでみて下さい。

具体的な例として、僕のポートフォリオの一部を紹介します。

この図は、僕の2020年6月1日時点でのSBI証券での運用結果です。
SBI証券内でのポートフォリオは
- eMAXIS Slim 全世界式 :50%
- SBI S&P500: 50%
と決めています。
しかし、運用を続けていくと株価の上昇に伴い
- eMAXIS Slim 全世界式 :51%
- SBI S&P500: 49%
と微妙にずれていることが分かります。
リバランスとは、株価の上昇や下降によって崩れたバランスを元に戻すことをいいます。

僕がリバランスをするなら、SBI S&P500を買い増すか、全世界式を売るかをして、もう一度1:1にするってことです。
なぜリバランスが必要なのか?

せっかく上がっているのに、なんで途中で売るの?
長期投資が目的だからほっておけばいいんじゃないの?
もっともな疑問です。
リバランスをする理由としては大きく2つあります。
リバランスをする理由
- 自分のリスク許容度を超えないようにするため
- ドルコスト平均法の恩恵を受けるため
いつの間にかリスク許容度を超えることを防ぐ
リスク許容度の低い人が、自分のアセットアロケーション(資産配分)を
株式 30%、債券 70%にしているとします。
本人は規律ある投資をしているつもりでも
- 株式の値動きは大きく
- 債券の値動きは小さい
ので毎月 3:7で投資し続けていたとしても、株式の値上がりで
1年後には株式 50%、債券 50%になるということは起こりえます。
このままほっておき、かつ暴落が来たとすると株式 50%分のリスクを負います。
さて、リスク許容度を超えた状態でこの投資家はうまく立ち回れるでしょうか?

うまく立ち回れる人が少ないので、投資界隈では定期的に悲鳴があがるのです笑
このように、定期的なリバランスは自分の投資におけるリスク許容度を超えないようにしてくれるというメリットがあります。
ドルコスト平均法の恩恵をうける
定期的にリバランスをするということは
- 値上がりしたものを売る
- 値下がりしたものを買う
ということです。
つまりドルコスト平均法の恩恵を受けることに繋がります。
理論は皆さん理解できると思いますが

もっと値上がりするかもだし、今は止めておこうかな。

もっと値下がりするかもしれないし、少し様子を見よう。
といざ実施しようとすると非常にハードルが高くなります。
なので、ルールを決めて機械的にやる
つまりリバランスを習慣化することが大切になります。
リバランスの効果

リバランスを行うことでリターンがUPする

リバランスの重要性を理解出来たら、次は具体的な効果について知りましょう。
リバランスに関しては イボットソン・アソシエイツ・ジャパンが試算したデータがあります。

長期投資だと、リバランスをした方がリターンが多くなっていることがわかります。
具体的なリバランスの効果に関しては様々なデータがあって一概には言えませんが、
2006年~2016年の10年間、
リバランス間隔を1ヶ月、2ヵ月、3ヶ月、4ヶ月、6か月、1年にしたときの
リターンを検証したところ
リバランス間隔 | 1ヶ月 | 2ヵ月 | 3ヵ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | |||
リバランスなしのときとの比較 | 5.3% | 5.6% | 6.1% | 5.9% | 6.6% | 4.8% |
と放置した時に比べてリターンが増えたというデータがあります。
投資しているアセットクラスにもよりますが、+5%ぐらいは期待できるかもしれません。
リバランス時の注意

NISAやiDeCoのような非課税口座以外では、売却時に税金がかかるので要注意です。
そんなに効果があるならと、こまめに売買を繰り返すと、手数料と税金でリターンが減って逆効果です。
目安としては半年に1回、もしくは1年に1回くらいにしましょう。
そもそもあまり手をかけないでいいようにインデックス投資を選択しているはずです。
気持ちは分かりますが、頻繁に自分の資産配分を計算して思い悩むのは止めましょう。
リバランスのタイミング
自分のポートフォリオから大きく乖離したとき

年金を運用しているGPIFはリバランスのタイミングを決めています。

上の図はGPIFが公開している基本ポートフォリオと乖離許容幅です。
「乖離許容幅」と聞くと難しく感じますが、自分のポートフォリオからどれぐらい値上がり、
もしくは値下がりしたらリバランスするかという指標です。
乖離許容幅の例
株式50%、債券50%のポートフォリオで運用し、乖離許容幅を±10%で運用している場合
株式を占める割合が60%、もしくは40%になった時点で
50%になるように調整するということ

価格変動が大きい時に売り買いするのはストレスも大きいので、機械的に行えるようにしっかりと最初にルールを決めておきましょう。
年に一回定期的に

投資額が大きくなければ、まずは年に1回の習慣作りでも十分です。
ちなみに具体的に何月にやれば一番いいの?
という話ですが、正直いつでもいいと思います。
自分の誕生日など、忘れにくい日を設定しましょう。

そうはいっても決められない…
という優柔不断な方向けの情報ですが、
4月末をおススメします。
これは「セルインメイ」という格言に基づいたもので5月に株を売りなさいということに倣う作戦です。
つまり、5月にはたくさん株が売られることを見越して、
- 4月に先に高値で売ってしまう
- 5月になったら安くなったものを買う
という作戦です。

ただ正直伝説みたいなもので、科学的根拠はありません。
4月に売れば必ず儲けられるわけではないですよ!
まとめ:定期的なリバランスは投資家の攻守をあげてくれる

以上、リバランスの意味と効果についてでした。
この記事のまとめ
- リバランスとは資産の再配分のこと
- リバランスは自分のリスク許容度を超えないポートフォリオを維持してくれる
- 定期的なリバランスはリターンを増やす効果もある(期待値は5%)
- こまめにリバランスしすぎると手数料と税金をとられるので要注意
- リバランスの目安は半年、もしくは1年に1回で十分
自分に最適なポートフォリオをつくり、リバランスのルールを定めてしまえば、
後は入金力を高め、数10年後の恩恵を信じて待つのみになります。
驚くほどシンプルで簡単。
でもだからこそ難しいのが投資です。
これからも初心者投資家に向けて、ためになる情報を僕は発信し続けます。
みんなで規律ある投資を続け、豊かな生活を送れるようになりましょう。
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